「看護師1年目、同級生の父の死に私は何もできなかった」

  • 2025年7月23日
  • 2025年8月24日
  • 看護
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皆さんこんにちは。トッキーパパです。



私はこれまで、救命救急センターや看護学校、看護管理の現場で働いてきました。そこで得た経験を、今、臨床の最前線で奮闘している看護管理者や看護師の方、これからの道を模索している看護学生の皆さんにお伝えしたいと思っています。

今日は、私が1年目の看護師だった頃、今でも忘れられない経験をお話しします。
ある朝、50代の男性が農作業中に倒れ、心肺停止の状態で搬送されてきました。救命救急外来は緊張感に包まれ、一刻を争う対応が続きました。
その患者さんの娘さんは、なんと私の高校時代の同級生でした。

父親は懸命の処置にもかかわらず蘇生せず、死亡が確認されました。私は搬送から死亡確認、そして家族への説明や死亡処置の場にいましたが、彼女と直接話すことはできませんでした。出棺のときにも立ち会うことができませんでした。

私は、同級生の彼女にどう声をかけてよいのか、看護師として、友人として、何をすればよいのかがわかりませんでした。目を合わせることさえできず、ただ業務をこなすことで精一杯だった自分がいました。
頭では、「それではいけない」と分かっていましたが、私は逃げてしまいました。

その出来事は、今でも私の心に強く残っています。
当時、先輩看護師からは「看護師は患者や家族の前で涙を見せてはいけない」と教えられました。「冷静に、テキパキと動くことが良い看護師だ」とも。

けれど、それは本当に正しかったのでしょうか?

その後、私は経験を積み、後輩指導をする立場になりました。そしてある日、1年目の後輩がある急変事例に直面しました。
その場で、私はかつての自分の姿を重ね、そしてようやく「看護師として、本当に大切なことは何か」に気づくことになります。

この続きは、次回お伝えします。