こんにちは、トッキーパパです。
今回は、毎年お盆が近づくと思い出す、ちょっと不思議で温かい体験をお話ししたいと思います。
■ 新盆の日、突然現れた黒猫
それは、父が亡くなった年の新盆の出来事でした。
迎え火を終えた夕方、我が家の勝手口に見慣れない黒猫が現れました。胸元にぽつんと白い模様があるのが特徴で、どこか神秘的な雰囲気をまとっていました。
そのとき、夕飯の支度をしていた妻がとっさにこう言ったんです。
「お父さんのお使いで来たの?」
黒猫は「ニャー」と一声。

妻はすぐに、父と仲が良かった飼い猫の“シロ”を連れてきました。でも、シロは「シャー!」と威嚇。黒猫はすぐにその場から走り去ってしまいました。
今まで近所で黒猫を見かけたことなんてなかったので、なんだか不思議な気持ちになりました。
■ 息子が見せた一枚の写真
その夜、出かけていた息子が帰宅しながら一枚の写真を見せてきました。
なんと、そこにも胸に白い模様がある黒猫が写っていたのです。息子が食事を終わり店を出ようとドアを開けたところ、ドアの先に黒猫がいたそうです。全く逃げる様子もなく、なぜか気になってシャッターを切ったそうです。

「この店、何回も来てるけど、猫なんて初めて見たよ」 と言う息子の言葉に、私たちはますますその黒猫が特別な存在のように思えてきました。
■ 親戚の言葉に、さらに深まる不思議な感覚
翌日、新盆のご挨拶に来た親戚も言っていました。
「家の前に黒猫がいて、じーっと家の方を見つめてたよ」
そんな話が重なると、偶然とは思えなくなりますよね。


■ 送り火の日、再び現れた黒猫
そして迎えたお盆最終日。送り火のためにお寺へ向かう途中、道路脇にまた黒猫が現れました。車の中から「あ!また黒猫だ!」と指を差したものの、その時はそのまま通り過ぎました。
でも驚いたのは帰り道です。
なんと、さっきと同じ場所に、またあの黒猫がいたのです。まるで私たちを待っていたかのように。
私と妻は車を止め、そっと近づきました。黒猫は逃げもせず、静かにそこにいました。
私は思わずこう話しかけました。
「お父さんの使いだったんだね。本当にありがとう。父によろしく伝えてね」
すると黒猫は「ニャー」と泣き、静かに茂みの中へ消えていきました。
あれ以来、その黒猫を見かけることは一度もありませんでした。

■ エンゼルマークの黒猫の言い伝え
あとから調べてわかったのですが、黒猫の胸の白い模様は「エンゼルマーク」と呼ばれ、天使が触れた跡とも、幸せを運ぶ猫とも言われているそうです。
魔女狩りの時代、黒猫は“魔女の使い”として忌み嫌われた一方で、エンゼルマークのある黒猫だけは魔女狩りを免れたという伝説もあるそうです。
あの時の黒猫も、きっと何か大切なメッセージを届けに来てくれたのかもしれません。
今でも、あの不思議な出来事を思い出すと、心があたたかくなります。